数秒、数メートルが長く感じた瞬間

神戸事務担当 江見 祐二郎

私は当時京都の龍谷大学のサッカー部に所属しておりまして、その中でとても印象に残っている試合について今回はお話させていただきます。

サッカー部に入部したもののなかなか出場機会に恵まれず、大学3回生の関西学生サッカーリーグの秋季3部リーグ開幕戦にて公式戦で初出場を果しました。

初の公式戦という事と相手は神戸国際大学。実力が未知数という事もあって、とても緊張していたことを今でも覚えています。ポジションはFWで先発すると発表されました。

いよいよ試合が始まるぞっというときには緊張感は薄れ、戦闘態勢に切り替わる中、遂に試合が始まりました。

開始早々はお互い開幕戦という事もあって、なかなかリズムがつかめない時間帯が続き、ボールが行ったり来たりする展開が繰り返される中、ついに前半30分に試合が動きました。

先に得点したのは相手チームでした。自陣の左サイドでゴールからおよそ30mの距離からフリーキック、ニアに速いボールを相手の足に合わされ、失点を許してしまいました。開幕戦に負けるわけにいかないと前半終了までに必死に追いつこうとするのですが、相手の固い守りに阻まれ前半は0-1で折り返すことになりました。

後半も必死に攻めるのですがなかなか点が奪えない状態が続き、チームに焦りが見える中、1本のスルーパスが相手DFの裏を通り、ペナルティーエリアの手前まで走りこんでいた私の足にピタリと収まりました。そしてキーパーと接触をするも運よくボールが自分の前に転がり、後は無人のゴールに転がすだけとなった瞬間、すごく不思議な感覚を覚えたのです。

それはほんの数メートル先にあるゴールがとてもとても遠くにそして小さく見え、普通なら何も考えずに簡単に出来る動作なのに、もし外したらと考えてしまいなかなかシュートできなかったことです。といっても試合中なので1秒くらいで距離も10メートルくらいだと思いますが、私の中ではそれが数十秒、数十メートルの世界に感じたのを覚えています。

結果は見事ゴール!点を決めた後、チームのメンバーと抱き合い、ベンチにも駆け寄っていきました。試合はその後勢いに乗って、追加点を上げ逆転したのですが、後半ロスタイムに同点に追いつかれ2-2で試合は終了しました。

初出場、初得点が自分でもこんなに喜べるとは思っていなかったのですが、いままで日が当たらなくても努力し続けて練習した分、喜びを増幅させたと思います。また続ければ結果は必ずついてくるということをこの試合には充分すぎるほど教えてもらいました。

今後私自身、壁にぶつかることが多々あると思いますが、決して諦めない心を持ち続けていきたいですし、その心が子どもたちにしっかりと伝わってくれるようにサッカーを通じて接していきたいですね。

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