1R20秒KO
明石サッカー・野球担当 宮本 信哉
私にとって心に残る一戦は15歳の時のボクシングの試合です。
中学2年の時にテレビでボクシングの試合を見て自分もやってみたい!!と思いボクシングジムに通い始めました。
怖いイメージがあるボクシングですが、行ってみたら皆とても優しくしてくれました。
確かに練習は厳しかったです。でも自分が好きではじめた事、弱音を吐いても仕方ありません。
周りの人の支えもあり、少しずつ出来なかった事が出来るようになる喜びを感じながら数ヶ月たったある日、「試合出てみるか?」と言われ二つ返事で出ますと答えました。
出るとは言ってみたものの対戦相手はみな高校生や大人ばかりです。
中学生は私1人。
怖くないはずはありません。
ジムの皆からは「大丈夫。いつも通りやれば勝てるから頑張れ。」
と励ましてもらって勇気をもらいましたがリングに上がるまでは心臓が口から飛び出しそうなくらい緊張していました。
しかし、リングに上がった時はもう何も余計な事は考えていませんでした。
自分の出来ることをしよう、練習したことを出せればいいと思いゴングを待ちました。
結果は1ラウンド20秒KO勝ち。
私は舞い上がってガッツポーズを繰り返し喜んでいました。
その時、対戦相手が私の所まで来て『ありがとう。強いね、これからもボクシング頑張ってね、僕も頑張るから』と伝えに来ました。
その瞬間、私は恥ずかしくなりガッツポーズをやめました。
相手の気持ちを考えずに喜ぶ私と負けた悔しさを押し殺して相手を褒め称える強さを持った対戦相手。
結果はどうあれスポーツマンとして私は完全に負けていました。
試合が終わりジムの仲間だけでなく見知らぬ人までが拍手をしてくれました。
しかし、それは私が相手を倒したからではなく互いに練習の成果を出しあい全力を出しあった2人に向けられた拍手です。
勝つことだけが全てではない、常に全力を尽くし、負けた時にも相手を誉められる強さを持つことが一番大事なのだということを教えられた一戦でした。